今更聞けない「元帳(モトチョウ)」
こんにちは。YKプランニング代表取締役社長の岡本です。
今回は、今更聞けない簿記・会計の用語として「元帳(モトチョウ)」についてご説明します。
とある日常、経営者と会計事務所の担当税理士との会話。







「モトチョウ(総勘定元帳)」の役割
モトチョウ(元帳)とは「総勘定元帳」を略した用語です。
ここから先は正確に「総勘定元帳」と表記して書き進めます。
総勘定元帳の“総”とは“全ての”という意味なので、「全ての勘定科目の元となる帳簿」ということになります。簿記・会計上で使用される一般的な勘定科目は80個前後存在しており、それらの勘定科目ごとに「いつ・何に・いくら」動いたのかが記録されます。
勘定科目は「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」という5つのグループに分類されています。それぞれに“増”と“減”の概念があり、その増減を左右に記載するというルールがあります。それが日付順に並んで記載されているので、それぞれの勘定科目が「いつ・何に・いくら」動いたのかが一目で分かるようになっています。
この総勘定元帳の、「できるまで」と「できたあと」は以下のようになります。※①ブログ参照:今更聞けない仕訳
※②ブログ参照:今更聞けない「試算表」 続・今更聞けない「試算表」
上記の流れからわかるように、総勘定元帳は「仕訳」と「試算表」の間に存在する帳簿です。
実は毎月作成されている総勘定元帳
冒頭の経営者と会計事務所の担当者の会話にありましたように、「総勘定元帳」は来るか来ないかわからない税務調査のために、「毎年1回1年分を出力して保管しておく資料」というイメージが強いので、決算書・申告書を作成した最後に機械的に用意されるモノ、という印象をお持ちかもしれません。
しかし、上記の作成の流れをみてわかる通り、日々作成される仕訳から「総勘定元帳」ができあがり、その「総勘定元帳」を集計することで試算表が完成します。
つまり、試算表の中身を確認するには総勘定元帳をチェックし、その総勘定元帳に書かれている源(みなもと)は仕訳なのです。
この関係性が理解できると「総勘定元帳」が、例えば“無駄遣いをチェックするのに役立つ”という意味がわかるのではないでしょうか。
いつでもそばにモトチョウを
ところで、「見たい」と思った時にどこにいけば「総勘定元帳」が見られるのでしょうか?
一番手っ取り早いのは、使用している「会計ソフト」の中です。
会計ソフトには必ず総勘定元帳を印刷、閲覧する機能があります。ただし、普段から経営者自身が会計ソフトに触れていないと、自分で見るには少しハードルがあります。会計事務所に関与をお願いしていれば、会計事務所の担当者に依頼すれば確認することができるはずです。
この総勘定元帳を見てみようと思う状態になるとき、ほとんどの場合は試算表を見ている時です。月次の試算表をタイムリーにチェックしている際に活用する帳簿が「総勘定元帳」なのです。本来は「税務調査に備えて用意しておくモノ」ではありません。
なお、試算表がタイムリーに作成されていない会社は、この総勘定元帳の前段階である仕訳が切られていないのが原因です。
なので、冒頭の会話に出てきた経営者仲間の社長さんは、毎月タイムリーに試算表ができていて、その中から気になる支出を見つけて、モトチョウを見るとその原因がよく理解できる環境であるからこそ「自分の無駄遣いがよくわかる」と発言しているということがわかりますよね。
正しくタイムリーに経営状況を把握するために、試算表や総勘定元帳を活用して「経営の見える化」に取り組みましょう。
今回は今更聞けない「モトチョウとは・・・?」について解説しました。
まだまだ他にもたくさんの会計用語が存在します。一つずつわかりやすく解説していきますので、是非ほかの「今更聞けないシリーズ」も読んでみてください。

1998年3月山口大学経済学部卒業。学校法人大原簿記法律専門学校入社。簿記・税理士講座の講師を務めた後、2003年行本会計事務所に入所。2017年株式会社YKプランニング代表取締役社長就任。ミッションである「独りぼっち経営者を0に」実現のために日々奮闘中。
趣味は長距離運転、スキンダイビング(素潜り)、GoogleMAPを見ること。